2014年3月24日
本日は雲ひとつ無い好天にも恵まれて、絶好のドライブ日和となりました。
実はこの日、かねてよりENNEPETAL株式会社社長の近藤 努 氏 とお昼をご一緒するお約束をしていまして、愛知県尾張旭市まで出掛ける予定でした。
ただ、昨日は今日のために久しぶりに洗車して、また新しくステッカーが増えたこともあり、愛車スナップを撮影するのにうってつけのこのロケーションは逃したくありませんでした。
お約束の会食は昼の12:00でしたので、少し慌ただしい日程になりましたが、丁度行きがけの駄賃ということで、午前中にいつもの撮影スポットである鈴鹿サーキット南コース駐車場に立ち寄って、愛車スナップを撮ることにしました。
それが左の画像群です。
本当は愛車RA-RにENNEPETAL BILSTEIN SHOCKABSORBER 装着、アライメント調整完了後のインプレッションということなら、この鈴鹿サーキット南コース、もしくは国際レーシングコースを走行すれば、この上ない恰好のシーンとなるのでしょうが、残念ながらそのようなコネもお金もありません。(笑)
早々に撮影を切り上げて尾張旭市に向かうため、名阪鈴鹿ICから東名阪自動車道に乗りました。
因みに、行きは東名阪道鈴鹿ICから名古屋高速を経由して現地まで…、帰りは名古屋高速から伊勢湾岸自動車道を経由しました。
さてここからは、ENNEPETAL BILSTEIN SHOCKABSORBER の装着、GRANDSLAM FORM のアライメント調整後の走行インプレッションを思いつくがままに綴っていこうと思います。
しかしその前に、まず愛車の現段階におけるサスペンションの仕様について簡単に記しておきたいと思います。
前後ショックアブソーバーとSTI強化ストラットアッパーマウントの交換、アライメント調整については、このコーナーの別のページにおいて既に述べています。
その他既に装着しているサスペンション関係のアフターパーツとして、まず愛車を購入した当初の2007年9月に、岐阜県各務原市のZERO/SPORTSにてロールセンターアジャスター装着(アジャスト量20o)とタイロッドエンドアジャスター装着(ロールセンターアジャスターとセット)を実施しました。
これによって、サスペンションジオメトリーの適正化を図りました。
事実、ワインディングロードでのステアリングインフォメーションがそれまでとは違って、フロントタイヤが常に路面にグリップし、フロントサスペンションが仕事をしているのが明確に掴めるようになりました。
また、2013年1月には、DIYでPROVA製フロント/リアスタビライザーピロボールリンクに換装しました。
スタビライザーは純正のままです。(F:φ21o/R:φ22o)
これによって純正スタビライザーの性能を最大限活かせるようになり、ロール時の姿勢変化がよりスムーズになり、操縦性もさらにナチュラル感が増し確実に向上しました。
そしてサスペンションパーツではありませんが、上記のスタビリンク装着に先だつ2011年8月11日には、群馬県前橋市のC's MARCHEにおいて、オリジナルパーツのロワードモーターマウンティングキットを導入装着したことにより、エンジン搭載位置をノーマルより15o下げています。
これによって車両の重心がさらに低くなり、下手なサスペンションキットを組み込んだり、アライメントを弄ったりするよりも、確実に回頭性が向上しました。
特に切り始めのステアリングレスポンスは、格段に良くなりました。
これらアフターパーツの導入によって、クセが強く扱いにくかった愛車のノーマルサスのハンドリングが、かなり扱いやすい特性に改善出来ました。
そしてこの度ドライバビリティ改善策の総仕上げとして、ショックアブソーバーの交換を実施したわけですが、目指したのは街乗り通常走行と高速走行時の操縦安定性(スタビリティ)の向上と、よりニュートラルで安定感のあるコーナーリング特性です。
その為にENNEPETAL BILSTEIN の減衰力特性も、それらの要求を満たせるよう、直接近藤氏にオーダーし製作していただきました。
とは言うものの、私は今後もサーキット走行をするつもりはありませんし、RA-Rのノーマル車高(spec C より15oダウン)が街乗りには丁度良いと考えていますので、純正強化スプリングはそのまま新品交換するだけに留めています。
しかしリニアなステアリング特性を追求するために、四輪ストラット式サスペンションの重要な要となるアッパーマウントは、此を機に前後ともSTi純正ゴム強度アップ品に交換しました。
さらにアライメントの調整も、今回は上記の目標を見据えて、フロント・リアともにサスペンションジオメトリを全面的にに見直していただきました。
具体的には、ストラットケースとアクスルハウジングの取付を見直して、フロントはほぼ0キャンバーだったものを、若干ネガティブキャンバーに修正したり、リア左側だけやけに大きく偏っていたネガティブキャンバーを、右側とほぼ同様の適正なネガティブキャンバーに調整するなど、細部まで徹底的にサスペンションジオメトリーの調整を行いました。
またトーインは、ノーマルでは基本的にフロントがトーゼロで、リアは低速での回頭性を重視したトーアウトだった(コレって公道走りではNGでしょ!?)ものを、四輪全てトーゼロにしていただきました。
そして、これらの要求を満たしているか確認も兼ねて、この度高速走行におけるロードインプレッションを実施しました。
当然、シビアにアライメントを調整した効果は大きいのですが、ショックアブソーバーの効果という点では、まず圧倒的に以前よりも乗り心地が良くなりました。
また、ロードホールディング、つまりタイヤの路面への追従性が格段に向上しています。
判りやすく言いますと、サスペンションがよく動いてタイヤがしっかり仕事している感じです。
まず純正ショックアブソーバーの特性から申し上げますと、私の愛車の車重は、およそ1,300s台と軽いことが最大の特長ですが、ノーマルサスペンションは、スプリングレートは充分に高く(フロン60N/o/リア50N/o)て硬く、コーナーリング時のロールはよく抑えられ踏ん張りも効くはずなのですが、実際には純正ショックアブソーバーの減衰力が初動からいきなり最大減衰力まで立ち上がる特性で、しかもスプリングレートをかなり上回る減衰力のため、瞬発的な踏ん張りは利きますが緩衝装置としてのスプリングの特性が、充分に活かされているとは云えませんでした。
つまり路面からの細かい振動や、小さな段差の突き上げなどの入力を、初期動作から全てダンパーが引き受けてしまうので、ピョコピョコと跳ねるような落ち着きの無い挙動に終始し、お世辞にもサスペンションが仕事をしているとは言いがたいものでした。
低速でそれは特に顕著で、確かに表面上はクイックなステアリングフィールなのですが、特にコーナーリングではロールの初期段階からアウト側が著しく突っ張った感じで、さらに横Gが掛かるとフロントもリアもタイヤのグリップが簡単に抜けてしまうという誠に有り難くないサスペンション特性なのです。
また、高速走行時のレーンチェンジでは、ほんの少し舵角を与えるだけでも反応が敏感過ぎて、容易に姿勢が破綻しそうになったり、そのままステアリングを保持しているといとも簡単にグリップを失い、車体の挙動が不安定になってしまうような、かなりナーバスで危険なオーバーステアリング特性でした。
結果高速コーナーリング中は、絶えず修正舵を強いられ、それはブレーキング時にも同様で、実に神経質なステアリング特性と云わざるを得ませんでした。
このようなサスペンションでしたが、この度ショックアブソーバーをENNEPETAL BILSTEINに交換してから初めて実施した高速走行ですが、常に安心感がありまるで違うクルマに乗っているかのような印象になりました。
一般道の走行でも既に感じてはいましたが、特に高速走行ではその印象がさらに際だって感じられました。
どういう感じか具体的に申しますと、まずストレートでもロードホールディングが確実に向上しているために、軽量級の車体であるにもかかわらず、ステアリングセンターがさらに明確になり、その分ステアリングを回す反力も増して、丁度フロントサスペンションのジオメトリーをハイキャスター化したように感じられて、ワンサイズ上のどっしりとした直進安定性が得られました。
またコーナーリング特性は、オーバーステアでもアンダーステアでもない、ニュートラルに限りなく近い弱アンダーな実に気持ちの良い特性となり、特に高速コーナーリング中のスタビリティは圧倒的に向上しました。
さらにコーナーリング中のドライバビリティは、ステアリングの切り足しや戻しにもバツグンの追従性があり、まさにオンザレール感覚が味わえるようになりました。
つまり操舵中は、常にタイヤと路面がコンタクトしている実感や、確実にトラクションが掛かっている実感、グリップ感などが、ステアリングインフォメーションとして明確に両手に伝わって来る感覚です。
当に思い通りのラインを安心して狙える、理想的なステアリング特性だと云えるでしょう。
またその際、サスペンションがヨレたりするようなこと(以前はコレがイヤでした)も一切ありませんでした。
これは、フロント・リアストラットのアッパーマウントを、ゴム強度アップの純正強化品に交換した効果が大きいと考えられます。
それでいて、路面からのハーシュネス等はかなり吸収されていて、ロードノイズも確実に減少しました。
とは言ってもそもそもRA-Rというクルマは、アンダーコートすら省略して軽量化に徹したクルマですから、当然コクピットは常に騒音に満たされるわけで、おおよそコンフォートカーとは対極に位置したモデルです。
しかし入ってくる騒音の質がこれまでとは違い、所謂雑音的な耳障りな音が最小限に抑えられ、私にとってはむしろ耳に心地の良いノイズ、いやサウンドに近づいたと感じています。
ところで私のクルマのノーマルの運動性能というのは、ご存じの通り「一般道からミニサーキット」までを守備範囲とした、主に中低速コーナーでの回頭性の良さに主眼を置いたセッティングが主な特徴でした。
しかしそれでは、ロングツアラーとしては完全に役不足だということが、前述した理由からも明らかだと思います。
今回ショックアブソーバーをENNEPETAL BILSTEINに交換した理由は、従来のような性格の足回りを一新したいと考えてのことで、さらにこの交換をベストなタイミングと捉え、併せてサスペンションアライメントも高速走行に主眼を置いた調整をしていただきました。
もちろんショックアブソーバーの減衰力特性も、ノーマルのスプリング特性に合わせて、より懐の深いセッティングにしていただきました。
具体的には、ただ硬いだけではないノーマルスプリングの特性は最大限活かすよう、特に縮み側はいきなり最大減衰力に達するような突っ張ったものでは無く、路面からの振動など小さな入力に対してはそれらを適度に吸収しつつ、それ以上の大きな入力に対しては、レスポンス良く速やかに減衰が最大域まで達する2段構えの減衰力特性です。
さらに最大減衰力に達した後も、入力に応じて最大減衰力を維持し続けられる、実に巧みなチューニングが施されています。
つまり小さな路面の凹凸に対しては、タイヤがしっかりと動いて軽やかに追従し、それらの動作が結果としてハーシュネスの吸収や、ロードホールディングの向上にも寄与します。
そして、それ以上の路面からの入力に対しては、スプリングの特性とダンパーの減衰力特性の両者のコンビネーションによって、滑らかにかつしっかりと荷重を受け止めるため、ロールなどの姿勢変化は以前と同様最小限に収まりつつも、トラクション性能は大幅に向上しています。
これらの特性については、専門的なことは解りかねますが、スプリング特性とショックアブソーバーの減衰力特性のマッチングとバランスが高い次元で融合しているからこそ、路面からの様々な入力に対して前述したような納得のいくパフォーマンスが発揮出来る理想的なサスペンションに仕上がっているのだと思います。
また、スタビリンクをピロボール化したり、ロールセンターを上げ、エンジン搭載位置を下げて重心をロールセンターに近づけたことで、姿勢変化や荷重移動がよりスムーズでリニアになり、上記の仕上がりにも確実に寄与しているものと考えています。
しかし何はともあれ私が最も歓迎しているのは、やはり高速走行中のコーナリングが本当に安定していて、安心して気持ちよくステアリング操作が行えるようになったことです。
本当にドライビングが楽しくなりました♪
さてここで、この高速走行インプレッション中に起こったエピソードをひとつ紹介します。
今回の尾張旭行きの途中で、こんなことがありました。
東名阪自動車道の登り線の追い越し車線を走行中に、ルームミラーに白い35GT-Rが相当なスピードで迫ってくるのが見えました。
私はそのまま一旦ウインカーを左に出して、走行車線にレーンチェンジをし進路を譲りました。
当然のようにそのGT-Rは、私を追い越して行きました。
このまま追い越されて放っておけば別に何も起こりませんが、このとき私は折角のロードインプレッションの最中なのだからこれは恰好のターゲットになると、間髪を入れずにGT-Rの背後に付けて追走を開始しました。
初めに言っておきますが、別にそのGT-Rに勝とうとも、バトルをしようなどとも全く思っていません。(笑)
ただ、もっとも相手のドライバーはその気になったようでしたが…(当たり前ですね)
早々にスロットル全開にして、私を引き離しに掛かりました。(思惑通りです)
絶対的なパワーではとうてい敵いませんが、トルクウエイトレシオは同等以上なので当然ピタッとついて行きました。
それから名古屋高速の手前までついていきました。(別に煽ってはいませんでしたよ)
「なんだコイツ」と思われたでしょうね。
結局最後まで私を引き離すことは出来ませんでした。
速度はどうかご想像くださいね。
いったい何が言いたいかと申しますと、追走の最中終始一貫して、RA-Rのハンドリングや挙動がとても安定していたということです。
もちろん抜きつ抜かれつのバトルを行ったわけではありません。
追い越し車線上での高速走行におけるスタビリティのみを確認しただけです。
しかし、以前はこのようなシチュエーションになると、間違いなくステアリング操作に気を遣って、手のひらが汗ばんだりもしたのですが、今回はそのようなことは全くありませんでした。
これはつまり高速走行中、ドライバーのステアリング操作に余裕が生じた分、アクセルやブレーキング操作、変速動作に集中出来るようになったことと、確実にパフォーマンスアップしたサスペンション特性によって、クルマの挙動が理想的にコントロール可能となったことなど、総合的にスタビリティが向上していたことの証だと考えています。
因みにいつもこんなことしていませんから(笑)
さらに付け加えるならば、やはりクルマが軽いということは、確実に操縦安定性の向上にも寄与するということも改めて実感出来ました。
つまりクルマの足回りのセッティングというのは、結局サスペンションのチューニングだけで片付く問題ではなく、クルマ全体のトータルなバランスが重要なんでしょうね。
ついでに申しておきますと、この追走劇でもう一つ感じた嬉しい出来事がありました。
それは愛車の中間加速が以前よりも明らかに良くなっていたことです。
これは、たぶんサスペンションのロードホールディングが向上した分、確実にトラクションが増したからではないかと思います。
転がり抵抗の少ないミシュランタイヤの性能もあるとは思いますが…
いずれにしても、購入してから8年目にしてやっと、私の思い描いてきた理想的な愛車の足回りがここに完成しました。
そしてこうして無事にファーストインプレッションを終えて、この日は実に晴れ晴れとした気持ちになりました。
この後、ENNEPETAL の近藤 努 社長 との約束のお昼をご一緒するために尾張旭市に無事到着しました。
もちろん帰路においても、この生まれ変わった愛車の足回りをたっぷり堪能したことは云うまでもありません♪
このつづきのENNEPETAL の近藤 努 社長 とのお話は、コチラのページに掲載しています。