トラブルというのは、ご覧の通りアダプターのネジ部が根元から曲がっています。
想定以上の力が加わったためにこうなったのは明らかです。
このまま使い続ければ、必ずいつかネジ部は根元からポッキリ折れてしまうでしょうし、そうなってからではリカバリーが困難になる可能性も考えられます。(折れたアダプターのネジ部がカム部の奥に残ってしまって取り出せなくなる)
そこでとても単純な一計を講じることにしました。
まず、メタルブレーキ本体には何一つ異常は見られないわけですから、今後もそれを活かさないという選択肢はあり得ません。
つまり、このアダプターをもっと強度の高い材質のもので作れば良いのではないかということです。
その後ネットで検索して、そのような注文に応じてくれそうな製作所を探しました。
具体的には、SCM鋼(通称クロモリ鋼)を加工して、同様のアダプターを製作してくれる事業所です。
何故クロモリ鋼かと言うと、やはり強靭で粘りがあるというのが最大の理由です。
たぶん付属のアダプターは、S45Cなどの炭素鋼(普通鋼)かSUS410などのステンレス鋼だと考えられ、引っ張り強度はそれぞれ690N/㎟~(S45C)、440N/㎟~(SUS410)程度ですから、それらに比べてクロモリ鋼の引っ張り強度は、例えばSCM435の場合930N/㎟~ですので、明らかにアドバンテージがあると考えました。
左の定規を添えて撮影しましたこれら3枚の画像群は、ネットで見つけた野方電気工業株式会社という企業に、11月13日にメールで見積もりを依頼した際に添付した画像です。
これらの画像を添付して、詳細のネジ部のサイズやアダプター本体のサイズ等を明記し、メールで見積もりを依頼しました。
それにしても今回は自分のミスによって、思わぬ出費が嵩むことになってしまったのはとても残念でした。
それは冗談では無く、相手の製造者の方にも謝罪はしたものの一時的には大変不愉快な思いをさせてしまいましたし、その時間と労力は馬鹿になりません。
今後は己の軽薄さを反省し、自分自身を戒め改めなければならないと思いました。
さて、これで今年も残すところあと僅かとなりましたが、懸案を年越すこと無く無事に済ませられました。
今回のこのk012メタルブレーキ改良は、今後同様の作業に用いるかどうかは別にしても、動作可能な作業領域がこれで明確になった(最大厚さ2㎜、幅300㎜のA5052板材の折板)こと、また手軽に即応出来るようになったことで充分意義のある内容になったと思っています。
これからも様々な工作に活躍してくれること請け合いです。♪
つまりバーのネジ部の根元に掛かる力が分散されれば、与えるダメージも最小限に抑えられるのではないかと考えられるのです。
実際に画像のメタルブレーキ本体の傾き加減でも、手前に向かって相当の力が加わっているのがお判りいただけると思います。
添付されていた納品書です。
さてこの後早速k012メタルブレーキに取り付けて、試してみようとワクワクしながらガレージに向かいましたが…
急転直下、なんとアダプターのネジが小さすぎて合いません。
頭が真っ白になりました。笑
そこで私が下した判断は、M10でオーダーしたはずなのに、これではM8ではないか?という、とんでもない裁定でした。
⑧k012メタルブレーキ&特注アダプター一体型ハンドルバー
成功です!
この通り綺麗に折れ曲がっています。♪
またk012メタルブレーキから特注ハンドルバーを取り外した時、ネジ部をよく観察しましたが何ら異常はありませんでした。
最後のネジの締め込み。
六角フランジネジを選択したのは、トルクを掛けて締め込めるからです。
では始めましょう!
セット完了!
カムのネジ穴の座繰りがやや狭く、引っ掛かりがありましたので、ヤスリでバーの根元の角を少し削って修正しましたところ、しっかりと奥まで締め込むことが出来ました。
今度こそ間違いなくピッタリでした。♪
これでやっと心置きなく試すことが出来そうです。
これが、新たに加工していただいたM12-L15㎜ネジ部です。
2019年12月13日
追加工の見積もりをいただいた11月15日からほぼ1ヶ月ほどいろいろ考えた末、やはりこれは最後までやらねば年を越せないと思い、本日追加工の入金とハンドルバーの宅配を済ませました。
何故こんなに結論が遅れたかと申しますと、やはり追加工も半端なく高額ですし、何分にも現金振込ですので躊躇せざるを得なかったというのが本音です。笑
そしてスグに左の画像を撮って、それを添付して苦情のメールをしてしまいました。
しかし、その後冷静になってよく考えてみると、プロの製造業者がそんな初歩的な間違いなど犯すわけが無いと思い至りまして、オリジナルのアダプターのネジ部をしっかり確認しましたところ、M10ではなくM12であったことが初めて判りました。
何がM8ですか!まったく失礼にもほどがありますね。
最初から全て、M10だと思い込んでいた私のミスでした。
そこで急いで、先のメールの無礼をお詫びするとともに、改めて追加工の見積もりを依頼しました。
こちらも依頼通り、17㎜レンチが掛けられるよう切り欠き加工が施されています。
それにしてもとても丁寧で厳重に包装してありました。
安価なモノではありませんので、当然と言えば当然です。
これで作業台天板裏、万力台座部分の補強作業が終わりました。
木ネジの締め込みが全て終わりました。
こうしてメタルブレーキのカム部にねじ込んで固定し、そこにハンドルバーを差し込んで使用します。
2019年10月22日に購入し、25、26日とSTi純正スポーツシートオフィスチェア用アンダーパネル製作のため、2㎜厚、幅300㎜のA5052アルミ合金板材を折り曲げるために、大活躍したのがk012メタルブレーキでした。
しかし、ご覧の通り掟破りの長さ2,000㎜の単管でハンドルバーを延長して使用したため、当然とも言えるトラブルに見舞われてしまいました。
今回はちゃんと確かめもしないで、思い込みだけで発注してしまい、それによって思わぬ失敗を犯し、相手様に対してもご迷惑と要らぬお手間をお掛けすることになりました。
猛省します。
何事もチェック・ダブルチェックが肝心ですね。
どうやら成功したようです。
2,000㎜単管を使用してバーを延長しなくても、この特注ハンドルバーだけで充分に作業が可能なことが判りました。
また、補強した作業台の天板も、今回はまったく問題ありませんでした。
もうお馴染みのk012メタルブレーキを万力にセットしました。
今回の荷物の梱包には、何故かこんなシールまで貼られていました。笑
製造者のお心遣いが感じられますよね?
発注当初、モノがモノだけに仕上げには拘りません、と申し送っていましたが、とても丁寧な仕上がりになっていると思います。
追加工は、M10ネジ部を切り落として新たにM12-L15㎜ネジ部を加工していますので、切り落とした約15㎜分全長が短くなりました。
このときもまだまったく気付いていません。
2019年11月22日
注文した特注ハンドルバーが届きました。
たぶん、これ以上余分な補強はいらないと思います。
ネジ位置は、角材各3本それぞれの幅の真ん中に来るよう穴を開けています。
これで取り付け位置が決まりました。
万力固定用のボルトナットはそのまま使います。
頂いた複数の見積書を検討した結果、最終的にアダプターの長さは998㎜のものに:決定しメールで注文しました。
また、後日電話で直接問い合わせたところ、鋼材の材質はSCM435でした。
その後この請求書がメールに添付されてきましたので、11月14日早々に提示された金額を振り込み製作に取り掛かっていただきました。
なんとメタルブレーキの価格を大幅に上回る金額には思わず笑ってしまいました。
なにしろ完全ワンオフのオーダーメイドですから、相場のことはよく判りませんが、たぶんこんなものなんでしょう。
ネジ部のクローズアップ画像です。
今を思えば、このときもっとしっかり確認しておくべきでした。
そのトラブルに見舞われたハンドルバーアダプター(左)です。
そしてその右にあるのが、ハンドルバーです。
2019年11月15日
さて、特注メタルブレーキハンドルバーの発注も済んだこの日、もうひとつ済ませておきたいことがありました。
これも、やはりSTi純正スポーツシートオフィスチェア用のアンダーパネル製作のときに用意したスチール製Lアングルステーですが、これを使ってある作業を行いました。
画像は既にこれまでに長さを揃えて、必要箇所に固定用のボルトと木ネジを通すための穴が開けてあります。
この最初の折り曲げ初期が加える力も最大になり、ハンドルバーの根元に最もロードが掛かると思われます。
バーのしなりでお判りになると思います。
実は、私はこのしなりがハンドルバーの根元に集中して掛かる応力を分散してくれると考えています。
それでは、いよいよA5052板材を使って試してみます。
この板材はご承知の通り、先のSTi純正スポーツシートオフィスチェア用アンダーパネルを製作した時の余りです。
オリジナルのハンドルバーを差し込みました。
当然ですが、バーの反対側はそのままです。
しかしこれでやっと目的を達成することが出来ます。笑
前回と同様にとても丁寧な梱包でした。
2019年12月20日
当初納期は2週間とお聞きしていましたが、一週間で荷物が届きました。
ハンドルバーの反対側です。
ハンドルバーのアダプターネジ部です。
流石にクロモリ鋼は磨かれた地肌がとても美しく、凄みすら感じますね。
姿を現しました。
転がり防止のためでしょうか、板材が添えてありました。
長さが1,000㎜近い直径20㎜の鋼材の丸棒ですから、宅配業者の方から受け取ったときには、ズッシリと重さがありました。
最後は万力を固定しているボルトナットの本締めです。
残りのネジ穴に、六角フランジ頭のM5-L35㎜木ネジを締め込んで固定しています。
Lアングルステーは、予め天板裏の幅に合わせて切断し、固定用のネジ穴も開けてあります。
もうお判りだと思いますが、そうです、万力を取り付けているこの作業台の天板に問題がありました。
前回、万力にk012メタルブレーキを固定して作業した際に、板矧ぎ天板なので万力を固定しているのが手前の角材一本だけですので、万力に掛かった力が手前の角材のみに集中してしまい、そのままではなんと板矧ぎが剥がれそうになってしまうことが判明しました。
このためにその作業の際、このLアングルステーなどをしゃこ万で応急的に作業台に固定して、補強し事なきを得たのですが、その都度そんな作業を実施するのはいちいち面倒臭いですよね。笑
そこで予め万力の固定部分の天板の裏を補強しておこうと考えた訳です。
この画像は、作業台に取り付けている万力の固定用ボルトの下側のナットを取り外しているところです。