確かに運転がし易くて楽であるということも大切な要素だと思いますが、愛車はMTにしか乗ってこなかった私にとっては、ただ退屈なしろものです。
運転していて残念ながらちっとも楽しくありません。
もちろん、私のようなドライバーは、今日では恐竜のような存在であるということも充分承知しています。
それでも敢えて言うならば、その恐竜のようなドライバーがまだまだこの日本のクルマ社会に、少なからず生息していることは確かです。
そしてその恐竜こそが、クルマという20世紀最大の発明品をこよなく愛し、より深く理解しているということも紛れの無い事実です。
さらに昔からのSUBARUファンには、このような恐竜がたくさんいることも事実です。
一体何が言いたいのかというと、例えばこのカーナビ。
確かに便利なツールであることは間違いありませんが、常にドライブ中に必要なものではありません。
もとよりクルマの基本性能には、直接なんの関係も無いものです。
因みに私は、土地勘の無い目的地にどうしても行かなければならないときに限って、ポータブルカーナビを持っていきます。
実際にこれで随分助かっています。
とはいえクルマの装備品としては、必ずしも必要なものだとは思っていません。
もしカーナビが無かったとしても、事前に地図を調べるなり持参するなどして解決出来しますし、最悪人に道を尋ねれば済むことだと思っています。
それに、そもそもカーナビの機能は絶対間違いないのか、もしカーナビの指示に従ったのに道を間違えてしまったとき、それはカーナビの所為なのか… じっくり考えて頂きたいと思います。
という具合につまり私は、クルマの基本性能に関係ない機能を、クルマというツールの付加価値として、果たして本当に必要があるのかということを考えて頂きたいわけです。
例えば、携帯しながら片手間に運転している不遜なドライバーや、ウインカーを出すのも面倒くさがるドライバー、居眠りが出ても平気で運転を続けるドライバー、高速道路で追い越し車線を平気でマイペースで走り、背後にクルマが迫っていることにも気付かないドライバー、コーナーにオーバースピードで突っ込んであわててブレーキを踏むドライバー、頻繁に必要の無いブレーキを踏むドライバー、トンネル内でヘッドライトを点灯しないドライバー、車両感覚の乏しいドライバー、安全確認・一時停止を平気で無視するドライバー、他のクルマの迷惑も考えず自分勝手な行動を取るドライバーなど、それこそ枚挙にいとまがありませんが、この社会悪とも云えるようなドライバーの行為を助長させるような機能が、クルマというツールに果たして必要なのか考えた方が良いのでは?と云うことです。
これらを簡単に言えば、イージードライビングを可能にするクルマは必ずしも必要は無いということです。
安全義務と責任をしっかり自覚していないドライバーまで幇助するかのような機能はいらない、とも言い換えることが出来ます。
新型LEGACY B4 の試乗インプレが、何故このようなウンチク話になってしまったかと云いますと、このとき助手席に座って頂いた営業マンがなかなかお話の解る方でしたので、つい嬉しくてこのような現代クルマ論的な話から、果てはクルマの文化論に至るまで、かなり長時間にわたってお喋りしたからなのです。
試乗してみても結局、私にはこの新型B4というクルマの価値がイマイチよく解りませんでした。
確かなことが一つあります。
それは、新型WRX S4 のプレスリリースにもあるとおり、SUBARUの走りのフラッグシップは、LEGACYでは無いと云うことです。
走りのフラッグシップの座をWRXに譲っているなら、新型B4の存在価値とは一体何なのでしょうか?
ごく普通のセダン、強いては万人好みのセダンということでしょうか。
私の云うところのごく普通のセダンとは、一般的に言われているスポーツセダンでもありません。
またごく普通のセダンと呼ぶには、この新型B4のサイズは大きすぎると思います。
私の知っている日本のLEGACYユーザー、特にB4のユーザーは、これまでSUBARUのスポーツセダンのフラッグシップとして、または最高のドライバーズカーとして相応しい動力性能とパッケージを好み与えられてきました。
それは万人好みのセダンなどではなく、あくまでも玄人好みのセダンだったはずです。
今後はそういう玄人ユーザーには、STI製コンプリートカーが対応するのでしょうか。
玄人好みのクルマとは、大人のクルマともまた違います。
因みに私の言うところの大人のクルマとは、新型OUTBACKのようなマルチパーパスカーを指します。
B4が走りのフラッグシップでないとするなら、玄人好みのセダンでしょうか、それとも万人好みのセダンでしょうか、物分かりの良い大人のおじさんのクルマでしょうか… それとも…
ここは大いに意見の別れるところでしょうが、このB4というセダンは、今後のセダン造りの方向性を、SUBARUとして模索するためのパイロットモデルなのか、あるいはセダンに対するSUBARUとしての考え方を示唆するスタンダードモデルなのか、どちらかは判りませんが(両方かも?)、これがとりあえず私が出した結論です。(なんのこっちゃ?笑)
こんな変な試乗記になってしまい、大変申し訳ありませんでした。
かなり本音でいろいろと書きましたが、この新型LEGACY B4の悪口では決してありませんので、その辺は誤解の無きようどうかお願いします。
もちろんこの新型B4にも、それこそ良さは語りきれないほどあります。
中でもひとつ確かなことは、ブランドやネーム、延いてはプライドがどうのということでは無く、これまでに数々の名車を世に問うてきたSUBARUの技術と歴史が、この一台にも確実に凝縮されているということです。
それこそがSUBARUに乗る喜びだと思います。
この新型B4もまた、歴代B4に共通した特長のルーフラインです。
2014年11月20日
本日は、この新型LEGACY B4 Limited に試乗するため、ここ三重スバル津店を訪れました。
つまりリニアトロニックの2ペダルにドライブ・バイワイヤのアクセルコントロール、アイドリング・ストップ機能、リニアなモーターアシストのパワステ、電子制御のAWD、良く出来たパッシブセーフティのEyeSightやABS、クルーズコントロールなどなど、上げれば切りが無いくらいのドライブアシスト機能満載の、今時のクルマの代表がこのセダンだと思いました。
しかし、このLEGACY B4というクルマの存在価値とは一体何なのでしょうか?
走り出してスグに、近頃のSUBARU車はごく普通のクルマになったなー!と思いました。
これは決して悪い意味では無く、クルマとしてとても大切なことです。
もとよりクルマにはいろいろな人が乗るわけですから、誰が乗っても運転しやすくて、気軽にその性能をフルに楽しめるクルマが、私の言うところのごく普通のクルマです。
そしてこの新型B4はそういう意味で、これまでのSUBARU車の中では最良のごく普通のセダンです。
さて、試乗しました。
またまたカメラをお渡ししちゃいました。
ドラポジは基本的にOUTBACKと同じです。
オーディオ&カーナビは、なんとハーマンカードンだそうです。
昔のオーディオ・ファンにとっては、とても懐かしい響きがあります。
ただし実際に音を聴いていませんので性能は判りません。
というか、そもそもカーオーディオには全然興味がありません。(笑)
それにしても、このアングルから見て私の愛車と比べると、今時のセダンのスタイルは、随分シャープになったと思います。
今回は、もうデザインについての不満は書きません。
人によって好みは様々ですからね。
このルーフラインは美しいと思います。
全体を横から見たグラスエリアとホイールアーチのバランスも、良くまとまっていると思いました。
前回、鈴鹿店でこのB4のデザインを随分こきおろしましたが、こうして改めてみても、やはりこのボディサイドのプレスラインは、どうしても納得できません。
それだけ、このB4に対しての思いが強いのかもしれません。(笑)